会社を辞めて、専業主婦になった。ほっとしたのは、最初の数か月だけでした。

「あれ、私、また働きたい」

気づいたとき、自分でも少し驚きました。辞めるとき、心がちぎれそうだったのに。

うちは、ひとりっ子です。息子は5歳、自閉症の疑いがあると言われています。

また働きたいと思った、5つの理由

「こんな自分でも、社会の役に立ちたい」
会社員時代、頭を下げてばかりの私は、自分を「ダメな会社員」だと思っていました。でも、辞めて少し経って気づいたのです。「こんな自分でも、社会の役に立ちたい」と、まだ思っている自分がいる。もう一度、自分の力で、誰かの役に立ちたかった。

不妊治療で失ったお金を、取り戻したかった
長い不妊治療で、お金は減りました。治療は、保険適用前の頃です。夫の収入で生活はできました。でも、「自分で稼げた頃」の感覚が、心のどこかに残っていました。失った分を、少しでも取り戻したい。将来への不安が、いつも頭の奥にありました。

息子と、初めて離れる時間が欲しかった
息子は、生まれてからずっと完全母乳でした。夜中も、朝も、昼も、家でも、出先でも、ほとんど離れたことがありませんでした。愛おしい。でも、ずっと「自分の時間」がない。会社員時代も、保育園に送ったあとは仕事に直行でした。
カフェでぼーっとする時間も、本を読む時間も、ほとんどありませんでした。

「友達」を、作りたかった
私には、心から仲のいい友人が、なかなかできませんでした。子育てをしていると、子どもを通した知り合いはできます。でも、「子どもを抜きにして話せる、自分の友達」とは、また違うのです。会社を辞めたら、人と会う機会はもっと減る。だから、「働く」を入口に、新しい人間関係を作りたいと思いました。

「仕事が続かない自分」を、変えたかった
「私は、仕事が続かないタイプだ」という自己評価を、ずっと自分に貼り続けていました。「続かない私」のまま、終わりたくなかった。小さくていいから、「続けられた」と思える仕事を、ひとつ作りたかったのです。

最初にやったのは、雑貨屋さんのアルバイト

会社員時代のキャリアを活かせる場所を探す気力は、最初はありませんでした。子どもの予定に合わせやすい、近所のお店。条件はシンプルでした。
選んだのは、雑貨屋さんのアルバイトです。パソコンの入力が得意なことを面接で評価していただき、商品情報の入力をする予定でした。

働いてみて、気づきました。パソコンは、ひとり一台ではなかったのです。スタッフみんなで共有して使う形でした。
使いたい時に、空いていない。カスタマイズもできない。途中のまま離席すると、別のスタッフが画面を消してしまう。
仕事のやり方も、人間関係も、私にはなかなか合いませんでした。「ここは、私の場所じゃないかもしれない」と感じる日が、少しずつ増えました。

オンラインコミュニティで、在宅ワークを知った

そのころ、あるオンラインコミュニティに参加していました。育児や働き方、お金のことを、気軽に話せる場所です。
コミュニティで、私ははじめて「在宅ワーク」を知りました。クライアントワーク、オンライン秘書、Webライター……。家にいながら、パソコン一台でできる仕事が、こんなにあるのか。「これだ」と、すぐに思いました。

「片っ端から応募」した日々

在宅を知ってからは、まさに片っ端からの応募でした。

✅️ オンライン秘書の会社
✅️ Webライターの募集
✅️ 在宅でできる事務サポート

気になった求人には、ぜんぶ応募しました。落ちることも、もちろんありました。
でも、雑貨屋さんでの「合わない経験」が、逆に私を強くしていました。「合う場所が、きっとどこかにあるはず」と。

応募を続けるうちに、ご縁のあった会社で、オンライン秘書として働きはじめました。家から出ずに、自分のパソコンで、自分のペースで。息子の急な体調不良にも、対応しやすい働き方でした。
少しずつ、Webライターの仕事も増えてきました。

夫の収入があったから、ゆっくり選べた

金銭的に困窮していたわけではなかったから、ゆっくり選ぶことができました。夫の収入がある暮らしの中で、私は焦らずに、合う仕事を探せたのです。感謝しています。
同じように、家計に余裕があるお宅ばかりではないと、よくわかっています。だから「私はラッキーだった」と、書いておきたいのです。

母が、自分を立て直そうとするのは、わがままじゃない

「子どもがいるのに、また働くの?」「仕事に行かなきゃいけないわけじゃないなら、家にいればいいのに」。いまでも、そんな声を聞くことがあります。
でも、いまの私は思います。母が、自分の人生を立て直そうとするのは、わがままではありません。お金、時間、人とのつながり、自己評価。ぜんぶ、母の暮らしを支える、大事な土台です。

雑貨屋さんで「ここは違う」と気づいたからこそ、在宅ワークに出会えた。遠回りに見えた道が、今につながっています。

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